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新たな労働条件での契約更新の申込み拒否を理由とする雇止めが有効とされた事例

両角のコラム

2022.02.09

新たな労働条件での契約更新の申込み拒否を理由とする雇止めが有効とされた事例

契約更新に当たり、労働条件の変更の提示を受けた労働者が、当該提示に同意せず従前の労働条件での契約更新の申込みを行ったところ、雇止めを受けました。この雇止めが有効とされた裁判例(東京地裁令和3年8月5日判決)をご紹介します。

事案

 Xは、大手受験予備校Yで世界史科目を担当する非常勤講師として採用され、22回にわたって契約更新がされましたが、契約更新に当たり、Yの施設内で無断で文書(Yとの間の労使交渉を求める等の内容)を配布したこと(厳重注意の後、懲戒処分)、また、生徒からの評価アンケートが良くないことを理由に、Yからコマ数減の提示を受けました。Xはコマ数減提示には同意できないとして、従前の労働条件での契約更新を申し込みましたが、Yは、Xの申込みは承諾できないとして、次年度の契約を不成立としました。そのため、XはYに対し、労働契約上の権利を有する地位の確認等を求めて訴えを提起しました。

裁判所の判断

 判決では、まず、Xの契約更新の期待は合理的な理由があるとし、労契法19条2号に当たるとしましたが、雇止めが「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとみとめられないとき」(労契法19条柱書後段)に当たるか否かについて、雇止めに至った根本的な理由は、使用者が更新に際して従前と異なる労働者が承諾できない内容の労働条件を提示したことにあるから、使用者が提示した当該労働条件の客観的合理性及び社会的相当性を中心的に検討すべきであるとしました。

 本件においては、生徒からの評価アンケートが数年にわたり低い状態が継続していたこと、懲戒事由に当たる行為があったこと、Xよりも評価が高い世界史科目講師にもコマ数減を提示していたこと等から、Xに提示した当該労働条件には客観的合理性があるとしました。そして、コマ数減の提示はXに多大な経済的影響を与えるとはいえず、Yのコマ数減提示に係る説明・対応にも問題がなかったこと等も考慮し、社会通念上相当であると認められない場合に当たらず、本件雇止めは有効としました。

コメント

 本件は多数回にわたり契約更新がなされていますが、裁判所の判断において、次年度の契約の締結について個別に交渉していること、契約更新の管理状況が形式的なものではなく、前年度から減少する可能性があり、Xもそれを理解していたことから、Xの契約更新の期待は合理的な理由があるが、次年度も同一の労働条件で契約を更新すると期待することについて合理的な理由があるとまではいえないとされています。

  

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